ヘパリンロックやアルコール綿のこと

ヘパリンロックとは、留置針などにヘパリンという抗凝固剤の入った生理食塩水を通して、血液が固まって閉塞するのを防ぐ方法です。

一昔前は、院内でヘパリンと生理食塩水を調合して作り置きをしていました。これではヘパリン加生食の汚染によるセラチア菌などの感染リスクが高いです。

当院では、プレフィルドタイプといって、あらかじめ無菌的にシリンジに充填されたヘパリン加生食を一回使い切りで使用しています。コストはかかりますが、感染のリスクを最小限にできます。

さらに最近では、抹消静脈の留置針では生食のみでのロックでも十分と言われています。動物ではあまり報告がありませんが、ヘパリン起因性血小板減少症などの合併症のリスクもあります。今後は、獣医療領域でも生食ロックが主流になるかもしれません。

消毒に使用するアルコール綿も、ステンレスの容器に作り置きの時代がありました。これもアルコール綿の汚染による感染の温床になります。

アルコール綿はなるべく少ないパックのものを使い、容器もディスポーザブルにすべきです。

衛生管理も日々進歩しています。しっかりとした衛生管理をしようとすると、どうしても廃棄物が増えてしまうのが悩ましいところです。