ヨツユビハリネズミの診療と診療時間変更

ここ数年で、ヨツユビハリネズミの飼育頭数が増えています。

当院でも、毎日何頭もハリネズミの診察を行っています。診察にあたって、針がなかなか厄介です。採血もエコーも鎮静なしではできないので、毎回鎮静をかけることになります。

ハリネズミには口腔内疾患も多く、歯肉炎や扁平上皮癌がよく見られます。早期発見するには、鎮静下での口腔内検査が必要です。

また、雌では子宮疾患が多発するため、腹部の超音波検査が必要です。

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写真は、摘出したヨツユビハリネズミの子宮・卵巣で紡錘形細胞肉腫という悪性腫瘍でした。

ヨツユビハリネズミの病気は、まだ不明な点も多いですが、腫瘍が多発するため、早期発見が重要です。

当院では、10月から水曜日と日曜の午前中も診察を開始します。出勤する獣医師は、スケジュールをご確認ください。

エキゾチック臨床Vol.18 爬虫類の疾患と治療でました!

『エキゾチック臨床Vol.18 爬虫類の疾患と治療』がやっと刊行されました!

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私は『トカゲのクリプトスポリジウム症』『トカゲの生殖器疾患』『トカゲの抗酸菌症』『ヘビの呼吸器疾患』『ヘビの卵塞と卵管蓄卵材症』『爬虫類の腫瘍』のところを書きました。書くのは大変でしたが、本になると嬉しいですね。

興味がある方はぜひ読んでみてください。日本語の爬虫類の獣医学書としてはなかなか良い出来だと思います。学窓社から発売で16,200円です。

執筆者も、爬虫類診療の経験が豊富な先生方ばかりで、読み応えあります。

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また、機会があれば色々書きたいと思っています。

松原

 

日本獣医エキゾチック動物学会

3月21日は、日本獣医エキゾチック動物学会の症例発表会でした。
当院からは、口頭発表3題、ポスター発表3題、共同研究1題を発表しました。

「ヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)にみられた重複がんの1例」

「フェレット(Mustela putorius furo)の右心奇形を伴う肺高血圧症にシルデナフィルを使用した1例」

「プエブランミルクスネーク(Lampropeltis triangulum campbelli)の体表浸潤性腫瘍に対し広範囲拡大切除および術中カルボプラチン局所投与を行った1例」

「ボールパイソン(Python regius)の頭部の腺扁平上皮癌にネオアジュバンド化学療法を行い完全寛解となった1例」

「好酸球性白血病と診断されたヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)の2例」

「口腔内扁平上皮癌に対して、カルボプラチン局所投与を実施したヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)の1例」

「病理解剖を実施した下顎の骨肉腫を認めたウサギ(Oryctolagus cuniculus)」

他院の発表からも、いろいろ学ぶことができて充実した1日でした。

今後も、獣医療の発展のため、積極的に情報発信を行いたいと思います。

 

爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会

11月25日は、爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会(SCAPARA)の第17回ワークショップに参加しました。

『フトアゴヒゲトカゲ(Pogona vitticeps)の後頭部皮下組織にできた被嚢化血腫の1例』についてポスター発表でした。今回は、フォーゲル動物病院(神戸市)の上田先生とのコラボ企画で、同じ疾病の症例をそれぞれの切り口で発表しました。

フトアゴヒゲトカゲのこの疾患は、仮性動脈瘤、偽動脈瘤、動脈瘤などと記載されますが、原因や病態に不明な点が多いです。今回の2症例は、どちらも超音波検査やCT検査で動脈との連続性が確認されているにもかかわらず、死後の病理組織検査では、動脈瘤と証明できず、被嚢化血種と診断されました。

比較的稀な疾患のため、症例数が集まりませんが、フトアゴヒゲトカゲの後頭部が腫れてきた場合には、ご紹介いただければと思います。この疾患は、病巣の破裂が起こると出血により急変する可能性があるため、早期に診断・治療を行うべきだと考えています。

松原

7月

もう7月で暑くなってきました。日本の夏は、動物にとって厳しい温度・湿度ですので、熱中症対策は大事だと思います。とくにフェレット、チンチラ、ウサギなどの高温に弱い動物は移動時の保冷を考える必要があります。

すこし前になりますが、6月11日はブラックアウト東京で「エキゾチックアニマルの外科」の講演を行いました。次回はブラックアウトさいたまスーパーアリーナで8月に講演予定です。

6月14日には、循環器のセミナーで「犬の僧帽弁閉鎖不全症における心不全治療 これまでとこれから」に参加してきました。犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療は、ACVIMステージB2からピモベンダンという薬が推奨されるようになったので、情報をアップデートしてきました。

6月17日、18日には、日本獣医循環器学会、日本獣医麻酔外科学会、日本獣医画像診断学会の合同学会でした。学会参加は最新情報を得て仕事に還元できるため、非常に刺激になります。

6月25日はTRVAのセミナーで「奥が深い耳科学」でした。この時期、外耳炎の患者さんが多いので、こちらの情報もすぐに応用できそうです。

6月26日はHJSのセミナーで「総合診断! 消化管:食道、胃、結腸」でした。このシリーズのセミナーも最近よく参加しているのですが、画像診断、細胞診、病理組織検査のそれぞれの側面からの意見が聞けて面白いです。

6月28日はCAMICのセミナーで「画像診断医が話したいはなし 人気犬種や猫の最新CT/MRI症例報告を中心に」に参加しました。当院ではCTやMRIはCAMICなどの画像診断センターにご紹介していますが、将来的には導入したいと無謀にも考えています。都内は場所がないのと費用的な面でまだまだ現実的ではありませんが。

6月29日は動物取扱業の講習会でした。これは動物取扱業者は年に一度の受講を義務付けられています。ペットホテルをやる場合「保管」、動物の販売をする場合「販売」の登録をする必要があります。

7月1日、2日は日本獣医がん学会でした。今回は消化器型リンパ腫がメインテーマでした。猫では非常に多い疾患でフェレットでもよく見る病気です。

セミナーや学会で診療時間の変更がちょこちょこありますが、より良い獣医療を提供するために必要ですので、ご協力をお願いいたします。

麻酔セミナーと会陰尿道瘻セミナー

5月25日は、日本獣医疾病統計研究会のセミナーで「麻酔の概念に基づいた麻酔計画の立て方と局所麻酔の活用」でした。

疼痛管理については、現在関心の高い分野です。当院でも、局所麻酔、麻薬等を積極的に使用してできるだけ苦痛の少ない処置をするようにしています。

去勢手術の精巣内ブロックのお話があったのですが、精巣に針を刺すのはなんとなく気が引けます。

5月29日は、HJSのセミナーで「はじめての雄猫の会陰尿道瘻」でした。フードが進化したためか、犬猫で結石がコントロールできない症例は少なくなっていますが、どうしてもコントロールできない場合、このような尿路変更手術が有効です。

正しい手技で行うことにより、合併症を最小限にできるとのことでした。

最近ではSUBシステムや尿管ステントなどのデバイスも利用可能なので、泌尿器系の手術も以前よりやりやすくなってきています。

東京レプタイルズワールド

5/20(土)は東京レプタイルズワールドでエキゾチックアニマルの診療について講演させていただきました。45分の持ち時間だったのですが、スライドが200枚を超えてしまい、少し早口だったかもしれません。内容的には、哺乳類、鳥類、爬虫類、節足動物について、外科治療を中心にお話ししました。

5/21(日)も東京レプタイルズワールドで田園調布動物病院の田向先生の講演を聞きました。両生類・爬虫類中心のお話で興味深かったです。他院の治療を見る機会はあまりないので、勉強になりました。

当院では、珍しい動物や症例のデータが集まってくるため、機会があれば発表していきたいと思っています。次は6月のブラックアウト東京です。

明日は麻酔のセミナーに参加するため、診療時間が18時半最終受付になります。

軟部外科勉強会 第2回とこどもふれあい動物教室

先週の木曜日は、軟部外科勉強会の第2回でした。

今回は、試験開腹と縫合法の基礎についてです。試験開腹はなるべく避けたいところですが、異物が検出できないけれどもありそうな時や、画像診断で腫瘍がありそうなときなどにする機会が多いです。

つい先日も、腹腔内出血で来院した犬で、CTでも病変があまり明確に写らず、試験開腹を行いましたが、中皮腫という腫瘍でした。中皮腫は大きなできものを形成しないことがよくあります。

明日の水曜日は休診ですが、獣医師会のお仕事でこどもふれあい動物教室というイベントへ行ってきます。子供さんはウサギを触れますのでぜひいらしてください。

猫の慢性腎臓病(CKD)へのアプローチ セミナー

4月9日日曜日は、「猫の慢性腎臓病(CKD)へのアプローチ」のセミナーに参加してきました。

今月、新しく発売された、ネコの慢性腎臓病治療薬についてのセミナーです。ラプロスという商品名ですが、ベラプロストナトリウムという比較的昔からヒト用では使われているお薬です。

ベラプロストナトリウムは、イヌの肺高血圧症などで使用したことはありますが、今回はネコの慢性腎臓病を適応症としています。作用機序としては、血管内皮細胞保護作用、血管拡張作用、炎症性サイトカイン産生抑制作用、抗血小板作用などがあり、慢性腎臓病における腎機能低下の抑制および臨床症状の改善が期待できます。

IRISステージ2~3の慢性腎臓病が適応となるため、積極的に使用していこうと思います。

このお薬は慢性腎臓病を治す薬ではないため、根治治療ではありませんが、生活の質を保ちつつ長生きしてもらうための治療オプションの一つになるかと思います。

松原

4月です。

新年度ということで、当院にも新しいスタッフが増えました。

獣医師の本郷先生と動物看護士の角さんです。また、アルバイトの動物看護士の田代さんも週に何日かお願いしています。

診察などでお会いする機会があると思いますので、よろしくお願いいたします。

今まで、X線検査の機械はCRという方式を使っていました。これは、X線をカセッテという板に照射して、それを専用の機械で読み取ることで画像をデジタル化していました。読み取りに少し時間がかかっていました。

今回、DRという方式の機械と入れ替えました。こちらは、センサーに直接X線を照射するため、直にデジタル画像が構成されます。また、画質もCRよりも優れています。

検査時間の短縮により、動物への負担も少なくなります。