避妊去勢のことを考える
避妊手術や去勢手術のメリットとしては、望まない妊娠が防げることや、病気の予防などがあげられます。
ところが、最近、避妊・去勢をすることにより、関節疾患や一部の腫瘍の発生リスクがあがるとの報告も出てきています。
避妊・去勢を行わないメリットとして
・血管肉腫、骨肉腫、移行上皮癌のリスク低下
・肥満発生率の低下
・前十字靱帯断裂の発生の減少
などが挙げられています。
腫瘍の発生率などは、遺伝的要因や環境要因など様々なバイアスがかかるため、なかなか評価が難しいと思います。
一方、避妊・去勢を行うメリットとして
・子宮蓄膿症などの子宮疾患のリスクの低下
・乳腺腫瘍のリスクの低下(疑問視する意見もあります)
・卵巣腫瘍、精巣腫瘍のリスクの低下
・前立腺過形成、会陰ヘルニアなどのリスクの低下
などが挙げられています。
基本的に、繁殖目的でないコンパニオンアニマルについては避妊・去勢を行うべきとの見解が示されていますが、メリット・デメリットはよく理解すべきだと思います。
子宮蓄膿症はよく見かける病気で致死的ですので、その予防だけでも価値はあると個人的には考えています。