胆のう摘出セミナーに参加しました

こんにちは。獣医師の成瀬です。

当院では、日頃より最先端の獣医療を提供するために、常に新しい知識や技術を学び、日々の診療に生かしております。

そのため、定期的に学会やセミナーに参加しており、先日も胆のうのセミナーに参加してきました。

胆のうとは、肝臓の中にある袋状の臓器で、肝臓で作られた胆汁を溜めておく役割があります。

胆汁は脂肪の消化や吸収を助ける作用があるため、ご飯を食べた時に胆のうに溜めていた胆汁を小腸に流し込み、効果的に消化・吸収を助けます。

そんな役割のある胆のうですが、実はなくてもあまり困らない臓器です。

胆のうが無くなってもご飯を食べた時は肝臓が胆汁を作って小腸に届けてくれます。

そのため、胆のうが病気になってしまった場合は胆のう摘出を行う場合があります。

犬で多い胆のう疾患には、胆嚢粘液嚢腫があります。

胆嚢粘液嚢腫とは、胆のう内の胆汁の流動性が悪くなり、最悪の場合胆のうが破裂してしまう病気です。

症状は無症状で健康診断等で偶発的に発見される場合や、嘔吐下痢などの消化器症状、黄疸でぐったりするなど程度は様々です。

胆のうが破裂してしまうと緊急手術が必要になり胆のうが破裂していない場合に比べて、死亡率が3倍近く跳ね上がってしまいます。

そのため、胆のうが破裂してしまう前に外科手術をすることが大切です。

しかし、今まではどのタイミングでの手術介入が適切か判断に迷うことが多く、治療プランの設計に困ることが多々ありました。

今回のセミナーでは、どのタイミングでの手術が適切か、手術前の内科治療や、術前検査から考えられること、術後の管理など、胆のう摘出に関して多角的に学ぶことができるセミナーでした。

当院では獣医療も人医療と同じで日々研究が進んでおり、常に新しい知識を学ぶことがより良い診断・治療を提供するうえで重要だと考えています。

これからもあらゆる分野の新しい知識を学び、日々の診療に生かしていきます。