種の同定はなかなか難しい。

当院にはカメの患者さんがよくいらっしゃいますが、ときたま「のらがめ・野生ガメ」を保護し、そのまま何年も飼育されている方がいます。

そういう時はたいてい「クサガメ」か「ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)」なのですが、まれにそうでない患者さんがいます。

このラインの色。アカミミがないこの模様。

このラインの色。アカミミがないこの模様。

なにかミシシッピアカミミガメではない気がするが、アカミミが無いアカミミガメも存在するので非常に迷います。

面構えもなにかミシシッピアカミミガメとは違う気がする・・。

面構えもなにかミシシッピアカミミガメとは違う気がする・・。

甲長は20センチちょっと。

甲長は20センチちょっと。

腹甲の模様は無し。

腹甲の模様は無し。

あれこれ議論した結果、「フロリダアカハラガメ」であると結論付けました。この種やミシシッピアカミミガメの仲間は「スライダー」や「クーター」などと大別されるヌマガメです。この仲間は色彩の変異に富み、見た目に種が非常にわかりにくいのです。もしかしたらこの同定も間違っているかもしれません。違うよ!ぜんぜん違うよ!という方がいれば突っ込みいただければ幸いです。

普段池で目にするカメの中にも、こういう変り種が混じっているかもしれません。そういう視点で池のほとりを散歩してみるのもいいかもしれませんね。

屶網