アポキル錠セミナー
昨日の夜は、「アポキル錠を上手に使いこなすためのTips 効かない時のトラブルシューティングと併用療法」という企業セミナーでした。
アポキル錠はオクラシチニブという成分の犬アトピー性皮膚炎に使用される薬です。痒みや炎症を誘発するサイトカインを抑制して症状を緩和します。
今までは、犬アトピー性皮膚炎に対し、ステロイド剤や免疫抑制剤が治療の中心でしたが、アポキル錠の登場により、副作用の少ない治療が可能になりました。
オクラシチニブの犬アトピー性皮膚炎への効果としては、従来のプレドニゾロンと同等の即効性と改善率が確認されています。実際に当院でも処方していますが、非常に効果的だと思います。また、長期投与での安全性も2年間まで確認されています。
しかし、注意する点もいくつかあります。オクラシチニブも免疫抑制が起こる可能性があるため、血液検査、尿検査等のモニタリングは必要とのことでした。
効果が高く、副作用の少ない夢のような薬ですが、残念ながら全ての犬アトピー性皮膚炎症例がオクラシチニブ単独で症状のコントロールができるわけではありません。犬アトピー性皮膚炎は遺伝、免疫、環境などの要因が多因子的に影響する疾患なので、食事管理、環境管理、保湿、外部寄生虫予防、ストレス軽減などの多面的治療が必要です。