急性膵炎について
こんにちは、獣医師の池田です。
唐突ですが皆様膵臓という臓器をご存知でしょうか?
膵臓は胃から十二指腸に沿うように存在する臓器で、主な働きとして消化酵素の分泌があります。
今回はその膵臓で起こる【急性膵炎】についてご紹介させていただきます。
急性膵炎とは?
膵炎は大きく分けて急性膵炎と慢性膵炎の2種類に分かれます。
今回紹介する急性膵炎は膵臓で分泌される消化酵素が膵臓で活性化することで激しい炎症を起こすことによって引き起こされます。
*実際の膵炎が起こった膵臓
原因は?
実際、急性膵炎が起こる根本的な原因は分かっていません。しかし、起こりやすいリスク因子は以下のように存在します。
・高脂肪食を習慣的に食べている
・内分泌疾患を罹患している
・好発犬種(ヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザーなど)
・高脂質な人間の食べ物の誤食
・中高齢以上
症状
嘔吐、下痢、食欲不振、活動性の低下、腹痛などが急性膵炎では一般的です。腹痛からくる腹部を持ち上げる「お祈りポーズ」も特徴的です。
診断および治療
血液検査・画像検査などを用いて総合的に診断を下します。
治療は輸液・鎮痛・制吐・栄養管理・抗炎症治療をメインで行っていきます。
膵炎は全身の炎症を引き起こす疾患であるため、輸液療法は脱水を改善し循環動態を保つ重要な治療法になります。その結果、炎症を引き起こしている物質を希釈でき消化酵素による自己消化を抑制できます。
また、痛みや吐き気が続くと更なる食欲不振へと続いていくため鎮痛および制吐も重要な治療になっています。
予防
急性膵炎を防ぐにはまず食生活の見直しが重要です。
高脂肪食を食べている場合は低脂肪食へ変更し、太っている場合はダイエットも必要になります。また、人が食べているものを動物に与えることも控えましょう。そして、定期的に病院で健診を受けることも大事です。
最後に
急性膵炎は死にもつながる怖い病気です。少しでも変だなと感じた場合すぐにご来院することをオススメします。BBQシーズン真っ只中ですが、かわいい動物たちが人の食べ物を欲しがってもグッとこらえて我慢させましょう。また次回のブログもお楽しみに。