小さいネズミの話

齧歯目というのは哺乳類の中でも非常に多様性に富んだグループで、患者さんとしておなじみのジャンガリアンハムスターから巨大なカピバラやビーバーのような種もいます。

我が家では通称アフリカチビネズミMus minutoidesをペアで飼い始めました。体重5g程度の、世界でも相当小さな齧歯目です。

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飼育し始めて一ヶ月も経たないうちに、子どもを産みました。

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床材を小高く積み上げ、その上に窪地をつくっています。わり合い適当に産み落とされているのが面白い。わちゃわちゃと動き回り、てんでばらばらになってしまいます。それをお父さんおかあさんはせっせと元の位置に戻しています。

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数日すると、黒い色がつきます。まだ目は開きません。おかあさんは四つ足を踏ん張り、立った状態で授乳します。

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二週間もすれば目も開いて、もう普通のネズミです。ただし体重は1-2gなり。

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そして驚くべきことに、出産してから四週間程度で次の子を出産しました。妊娠期間は20日ちょいのようです。

資料によると、6-8週で性成熟するようで、寿命は平均二年、最長で四年という記録があるようです。

まだまだ不明な点が多い生物ですが、個体ごとに微妙に個性があって、見ていて飽きないですね。

こんな小さい哺乳類も診療できたらいいな、と考えながらじっくり観察中です。

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