クサガメを陸で飼う?

当院に来院されるカメさんの中でよくあるのが「水に入れずにミズガメを飼っています」という事例です。

ここでいうミズガメとは、イシガメやクサガメ、ミシシッピアカミミガメの類とします。

部屋の中を自由に歩いて、夜は一緒に寝て、時にはポケットでいろんなところに行く生活。

なかなか楽しそうですが、ミズガメ本来の生活とはかなりかけ離れた飼い方といわざるを得ません。

こういった場合、体に対して甲羅が相対的に小さく、しわしわになっていたり、腹側の甲羅がツルツルになっていたりするので見るとすぐにわかります。

またウサギと同様、こういった飼い方をしていると足の裏に穴が開いて潰瘍化することがあります。

本来一日のうち多くの時間を水にプカプカ浮かんですごすため、足に体重がほとんどかからないわけですが、陸上飼育や水深ヒタヒタ飼育だと自分の体重を足裏が支えきれないわけです。

↑磨り減った足底。ひどくなると潰瘍化する

一般的に、ミズガメを飼うには甲羅の2-3倍程度の水深が必要です。甲羅の上のほうが常に乾いていると甲羅の成長が阻害されてシワシワになってしまうし、ヒタヒタの浅い水深だとひっくり返ったときに自重がもろにかかり起き上がれず、最悪溺死してしまうことがあります。水深があれば浮力で起き上がるのが容易になるわけです。

ミズガメはそれなりの水深のある広い水場、甲羅干しができる陸場、UV灯とバスキングランプは最低限そろえてあげたいものです。爬虫類飼育において、飼育環境というのはそれがすべてといって良いほど大事です。幸い今はいろんな良い飼育書が出版されているし、インターネット上にも飼い方の例があふれているので、そのあたりをよく読んで参考にしていただければ良いと思います。

実際のところクサガメなどは恐ろしく頑丈なカメで、陸上飼育でも10年20年生きたりします。でもやっぱり本来あるべき環境を再現してあげるほうが健康的だと言えるでしょう。

屶網