小さいネズミの話

齧歯目というのは哺乳類の中でも非常に多様性に富んだグループで、患者さんとしておなじみのジャンガリアンハムスターから巨大なカピバラやビーバーのような種もいます。

我が家では通称アフリカチビネズミMus minutoidesをペアで飼い始めました。体重5g程度の、世界でも相当小さな齧歯目です。

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飼育し始めて一ヶ月も経たないうちに、子どもを産みました。

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床材を小高く積み上げ、その上に窪地をつくっています。わり合い適当に産み落とされているのが面白い。わちゃわちゃと動き回り、てんでばらばらになってしまいます。それをお父さんおかあさんはせっせと元の位置に戻しています。

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数日すると、黒い色がつきます。まだ目は開きません。おかあさんは四つ足を踏ん張り、立った状態で授乳します。

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二週間もすれば目も開いて、もう普通のネズミです。ただし体重は1-2gなり。

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そして驚くべきことに、出産してから四週間程度で次の子を出産しました。妊娠期間は20日ちょいのようです。

資料によると、6-8週で性成熟するようで、寿命は平均二年、最長で四年という記録があるようです。

まだまだ不明な点が多い生物ですが、個体ごとに微妙に個性があって、見ていて飽きないですね。

こんな小さい哺乳類も診療できたらいいな、と考えながらじっくり観察中です。

屶網

採尿方法

動物病院でよくやる検査の一つに尿検査があります。尿検査は身体の現在の状態を直接反映する重要な検査で、正しく行えば診断の手がかりになる検査です。尿検査を行うには、尿を採取しなければいけません。尿の採取方法には、自然排尿、カテーテル、膀胱穿刺、圧迫排尿などが挙げられます。この中で、最も正確な検査結果が得られるのが膀胱穿刺です。膀胱穿刺とは、注射器で膀胱から直接尿を抜く方法です。

たとえば、細菌性膀胱炎の診断をするのに、膀胱穿刺以外の採尿方法では診断が誤ってしまう場合があります。自然排尿やカテーテルで採尿した尿には、尿道や環境中の細菌が混入するため、培養ではそれらの細菌が検出されてしまいます。当院では、尿検査を行う場合は、基本的に膀胱穿刺で採尿を行います。

ただし、膀胱の腫瘍を疑う例では、膀胱穿刺は行いません。刺した傷口に沿って腫瘍が播種されることがあるため、その場合はカテーテルで採尿します。

膀胱穿刺は、カテーテルよりも苦痛が少ないと言われています。動物への負担もほとんどありません。

自宅で採尿した尿を検査することは、細菌や異物の混入、採尿後の時間経過などが問題となり、正しい結果を得ることは難しいと思います。

圧迫排尿については、腎臓への尿の逆流が起こることが分かっているため、行わない方が良いと考えられます。特に、細菌性膀胱炎の症例で行えば、細菌入りの尿を腎臓に押し込む形になるため、避けるべきだと思います。

採尿方法ひとつでも、検査結果は全く変わってしまうため、目的を持って行うことが重要です。

Staphylococcus pseudointermediusによる細菌尿