予防について
内部寄生虫
内部寄生虫の性質・被害・予防について
ノミやダニを外部寄生虫と呼ぶのに対し、お腹の中に寄生する寄生虫を内部寄生虫と呼びます。
イヌ・ネコでは、犬回虫(Toxocara canis)、犬小回虫(Toxascaris leonina)、猫回虫(Toxocara cati)、瓜実条虫(D caninum)、コクシジウム(Isospora canis、I.ohioensis、I. felis、I. rivolta)、ジアルジア(Giardia intestinalis)などが散見されます。これらの寄生虫は、種類によって治療薬や投薬期間が異なります。
検出には便検査を行いますが、検出感度が低いため、複数回の検査が必要となります。
回虫や条虫はヒトにも感染するため公衆衛生的にも重要な寄生虫です。 近年では、アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention :CDC)が定期駆虫を推奨し、ガイドラインを発表しています。これによるとイヌ・ネコでは年間4回の駆虫が推奨されています。

フェレットで内部寄生虫が検出されることは稀ですが、ウサギではウサギギョウチュウ(Passalurus ambiguus)やコクシジウム(Eimeria spp.)などがよく見られます。
鳥類では、鳥種にもよりますが、オカメインコでは原虫の1種(Spironucleus meleaglidis)や回虫の1種(Asaridia sp.)など、コザクラインコではクリプトスポリジウム(Cryptosporidium avian genotypeⅢ)などが検出されることがあります。

爬虫類においては、多種多様な内部寄生虫が見られ、同定に苦慮することも稀ではありません。ギリシャリクガメなどのリクガメ類では、蟯虫や回虫の感染が多く、ヒョウモントカゲモドキやコーンスネークではクリプトスポリジウム( C. varaniiおよびC. serpentis)が検出されることがあります。

