予防について
ノミ・ダニ予防
ノミ・ダニの性質・被害・予防について
ノミは昆虫の一種でイヌ・ネコにつくのは、主にネコノミ(Ctenocephalides felis)で、稀にイヌノミ(Ctenocephalides canis)も寄生します。
ノミは完全変態する昆虫で、卵・幼虫・さなぎは環境中、成虫は環境中と宿主体表に見られます。そのため、体表に成虫が見られた場合は、その10~20倍近い卵・幼虫・さなぎが環境中に潜んでいることになります。これらのノミは、ライフサイクルに最適な温度24~32℃、湿度60~80%という条件下では驚異的な速度で増殖することになります。現在、多くの家屋が最適温度に近く保温されているため、一度ノミが入り込んでしまうと冬場でも増殖してしまうことになります。また、完全に室内飼いであっても、ノミ自体の移動能力が高く、ヒトの衣服に付着して移動もできるため、予防が必要です。
ノミが寄生した動物は、かゆみにより自傷したり、ノミアレルギー性皮膚炎を起こします。また、瓜実条虫(Dipylidium caninum)の中間宿主となり、これを媒介します。ノミの宿主特異性は弱く、ヒトにも被害が出ます。 スポット剤や錠剤の月1回の投与により、効果的なノミ駆除・予防が可能です。
マダニは、クモやサソリに近い節足動物で、クモ綱ダニ目マダニ科に属します。日本に分布するマダニのうちイヌに寄生するものはフタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)など20種ほどです。マダニは、幼ダニ、若ダニのときに2度の脱皮を行って成ダニへと成長します。発育期ごとに異なる宿主に寄生するダニを3宿主性ダニとよびます。マダニの多くはこの3宿主性ダニです。吸血していない時期は、環境中で寄生の機会をうかがっています。
マダニによる直接的な被害は、皮膚炎、貧血、ダニ麻痺症などです。また、バベシア症などの媒介も行います。マダニに関してもスポット剤や錠剤の月1回の投与により駆除が可能です。