日本獣医エキゾチック動物学会

3月21日は、日本獣医エキゾチック動物学会の症例発表会でした。
当院からは、口頭発表3題、ポスター発表3題、共同研究1題を発表しました。

「ヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)にみられた重複がんの1例」

「フェレット(Mustela putorius furo)の右心奇形を伴う肺高血圧症にシルデナフィルを使用した1例」

「プエブランミルクスネーク(Lampropeltis triangulum campbelli)の体表浸潤性腫瘍に対し広範囲拡大切除および術中カルボプラチン局所投与を行った1例」

「ボールパイソン(Python regius)の頭部の腺扁平上皮癌にネオアジュバンド化学療法を行い完全寛解となった1例」

「好酸球性白血病と診断されたヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)の2例」

「口腔内扁平上皮癌に対して、カルボプラチン局所投与を実施したヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)の1例」

「病理解剖を実施した下顎の骨肉腫を認めたウサギ(Oryctolagus cuniculus)」

他院の発表からも、いろいろ学ぶことができて充実した1日でした。

今後も、獣医療の発展のため、積極的に情報発信を行いたいと思います。

 

ヨツユビハリネズミのダニ 疥癬のはなし

ヨツユビハリネズミ  Atelerix albiventris は来院機会の多いペットさんです。
飼育も難しくなく、その可愛らしい見た目から最近飼う人が増えているようです。

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ヨツユビハリネズミに多い病気といったら、なんといってもダニ!
次に1歳超えたあたりから腫瘍といったところでしょう。

今回はダニの話です。
ヨツユビハリネズミのダニはCaparinia tripilisという、ヒゼンダニの仲間です。
他にも何種かいるようですが顕微鏡でも違いがよくわかりません。

ヒゼンダニは疥癬というヒトの皮膚病の原因として有名です。
あまりにかゆいせいでナポレオンの進軍を止めたとかなんとか。

このCaparinia tripilisは激しいかゆみと、皮膚をガサガサにし、フケを大量に出し、針が抜けたりします。
肉眼でも白っぽいよく挽いたコショウくらいには見えるので、注意してみてみると動いているのが見えるかもしれません。
フケや皮膚をセロハンテープでペタペタしたものを顕微鏡でみると・・・

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↑なにやらモチャッとしたのがいますね

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↑立派な顎と手足。卵を持っているのもいます。小さめなのは若い個体でしょう。

写真をよく見ると分かりますが、ダニは肢先に爪と吸盤をもっていて、張り付いたりひっかけたり色々なところを歩くことができます。

治療はスポットタイプの駆虫薬やイベルメクチンの注射を1-2週間おきに3-5回するだけで、大抵はいなくなってくれます。
あとはフケの中にも大量のダニと卵が入っているので、環境をよく綺麗に洗って乾かし、
キンチョール的なものをまわりに吹いておくと良いと思います。

飼育してすぐの若齢のハリネズミに多いので、飼い始めて痒そうならばご相談ください。
もともと野生動物をむりやりペットにしてるので、まぁダニくらいはついててもしょうがないかな、
くらいの心持ちでいてください。

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