日本獣医エキゾチック動物学会

3月21日は、日本獣医エキゾチック動物学会の症例発表会でした。
当院からは、口頭発表3題、ポスター発表3題、共同研究1題を発表しました。

「ヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)にみられた重複がんの1例」

「フェレット(Mustela putorius furo)の右心奇形を伴う肺高血圧症にシルデナフィルを使用した1例」

「プエブランミルクスネーク(Lampropeltis triangulum campbelli)の体表浸潤性腫瘍に対し広範囲拡大切除および術中カルボプラチン局所投与を行った1例」

「ボールパイソン(Python regius)の頭部の腺扁平上皮癌にネオアジュバンド化学療法を行い完全寛解となった1例」

「好酸球性白血病と診断されたヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)の2例」

「口腔内扁平上皮癌に対して、カルボプラチン局所投与を実施したヨツユビハリネズミ(Atelerix albiventris)の1例」

「病理解剖を実施した下顎の骨肉腫を認めたウサギ(Oryctolagus cuniculus)」

他院の発表からも、いろいろ学ぶことができて充実した1日でした。

今後も、獣医療の発展のため、積極的に情報発信を行いたいと思います。

 

肥満細胞腫

肥満細胞腫は、体の中の肥満細胞という細胞が腫瘍化したものです。
様々な部位にできますが、皮膚にできたものが気付かれる事が多いです。

たとえば皮膚にできものがある場合、基本的に細胞診をオススメします。
外観、大きさ、増大速度からでは、診断は不可能です。

小さいできもので、大きくならないからといって良性とは限りません。

このような、皮膚炎に見えるものでも

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針を刺して細胞をみてみると

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肥満細胞腫でした。

フェレットの肥満細胞腫は、細胞質にあまり顆粒をもたないことが多いため、他の独立円形細胞との鑑別が必要です。

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細胞診で肥満細胞腫を疑う場合には、次に生検を行って、確定診断と悪性度の確認をします。
皮膚の肥満細胞腫は、猫やフェレットでは良性に近い挙動をとることが多いですが、犬では良性に近いものから悪性度の高いものまで様々です。

生検で確定診断ができれば、次に転移の有無と全身状態の確認を検査します。
肥満細胞腫は、リンパ節、肝臓、脾臓などに転移することが多い腫瘍です。
まず、X線検査や超音波検査で転移を確認します。場合によってはCTなどが必要にこともあります。
血液検査や尿検査は全身状態の把握のために行います。

治療としては外科的に摘出を行います。肥満細胞腫では3cm程度の余裕(マージン)をもって切除をすることが推奨されています。

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手術のときに、リンパ節、肝臓、脾臓の細胞診や生検を同時に行います。
画像診断で異常がなくても、肥満細胞腫が転移していることがあるため、理想的には複数個所のリンパ節、肝臓、脾臓の組織を取る方が良いかもしれません。

摘出した組織は、腫瘍が取りきれているかの確認のため、病理組織検査を行います。また、犬猫では肥満細胞腫のKITというタンパク質をつくる遺伝子c-kitの変異を遺伝子検査で確認します。c-kitの変異がある肥満細胞腫には、イマチニブという薬がほぼ100%効果を示すことが分かっています。

摘出が完全でない場合や、転移がある場合、肥満細胞腫の悪性度が高い場合には、術後に化学療法を行います。
肥満細胞腫で一般的に使用されるのは、ビンブラスチン、プレドニゾロン、ロムスチン、イマチニブ、トセラニブ、マシチニブなどです。

腫瘍は、小さなうちが治療のチャンスですので、あまり様子をみないで診断をすることが重要です。

松原