アポキル錠セミナー

昨日の夜は、「アポキル錠を上手に使いこなすためのTips 効かない時のトラブルシューティングと併用療法」という企業セミナーでした。

Exif_JPEG_PICTURE

アポキル錠はオクラシチニブという成分の犬アトピー性皮膚炎に使用される薬です。痒みや炎症を誘発するサイトカインを抑制して症状を緩和します。

今までは、犬アトピー性皮膚炎に対し、ステロイド剤や免疫抑制剤が治療の中心でしたが、アポキル錠の登場により、副作用の少ない治療が可能になりました。

オクラシチニブの犬アトピー性皮膚炎への効果としては、従来のプレドニゾロンと同等の即効性と改善率が確認されています。実際に当院でも処方していますが、非常に効果的だと思います。また、長期投与での安全性も2年間まで確認されています。

しかし、注意する点もいくつかあります。オクラシチニブも免疫抑制が起こる可能性があるため、血液検査、尿検査等のモニタリングは必要とのことでした。

効果が高く、副作用の少ない夢のような薬ですが、残念ながら全ての犬アトピー性皮膚炎症例がオクラシチニブ単独で症状のコントロールができるわけではありません。犬アトピー性皮膚炎は遺伝、免疫、環境などの要因が多因子的に影響する疾患なので、食事管理、環境管理、保湿、外部寄生虫予防、ストレス軽減などの多面的治療が必要です。

 

高齢猫の体重減少

Exif_JPEG_PICTURE

昨日は、ベテリナリーシンポジウム2017 「高齢猫の体重減少 サイレントな病気の診断と治療」に参加してきました。

昨今では、ネコちゃんの寿命も延び、高齢期疾患を診断する機会も多くなっています。中でも、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、慢性膵炎などは発生率も高く、複数疾患が合併することも多いです。

今回のセミナーは、そういった高齢期ネコの診断と治療について、新しい知見や再確認ができました。

5-10%の体重減少は見落としがちですが、病気の症状の可能性が高いとのことでした。このような微細な体重の変化を把握するためにも、自宅での体重測定が有用と考えられます。体重減少が見られた場合には、血液検査、尿検査、血圧測定、甲状腺ホルモン測定、画像診断、心電図などを行い、早期診断をする必要があります。

また、シニアネコでは年2回以上の総合検診が必要とのことでした。

ネコの疾患は、症状がイヌよりも分かりづらいため、早期診断・早期治療のためには健康診断が非常に重要だと思います。

実際に、健康診断時に心臓疾患や腫瘍が発見されることはしばしば経験します。症状が出る前にこれらの疾患を発見できると、治療が奏功することも多いと思います。

エキゾチック診療

エキゾチック診療の30号に執筆しました。

Exif_JPEG_PICTURE

「エキゾチック動物の3大疾患 ヒョウモントカゲモドキのクリプトスポリジウム症」という内容です。

クリプトスポリジウムは、哺乳類や鳥類でもしばしばみかける寄生虫ですが、完全駆除が難しく、治療には苦労します。今回は、クリプトスポリジウム症の臨床的な基礎について書かせていただきました。

専門書なのでやや難しいですが、爬虫類飼育者が読んでも良いかもしれません。

クリプトスポリジウムに関しては、現在もデータを収集中なので、どこかでまとめて発表できればと思っています。

第7回 鳥類臨床研究会東京セミナー2017に参加しました。

2月12日は、第7回 鳥類臨床研究会東京セミナー2017に参加してきました。

Exif_JPEG_PICTURE

このセミナーは、第1回目から参加していますが、鳥類の獣医学における現在のスタンダードを講義してくれます。今回の内容は、「ラブバード学」、「肥満との闘い」、「下痢あるいは多尿の鑑別」でした。

ラブバードとは、Agapornis属の鳥の総称で、コザクラインコやルリコシボタンインコなどが含まれます。コザクラインコにはクリプトスポリジウムという寄生虫が多くみられ、爬虫類に感染するものとは少し種類が違うのですが、非常に興味深いです。

肥満は、飼育下の鳥類では過発情とも関連して非常に問題となります。今回はフォージングといって、食事を簡単には取れないような工夫をすることで、考えさせ運動させる方法が紹介されていました。

下痢や多尿は、鳥類だけでなく、犬猫や他の動物種でもよく遭遇します。原因疾患は多岐にわたるため、鑑別診断が重要だということを再確認できました。

鳥類専門の先生方ともお話しできて大変勉強になりました。

話は変わりますが、当院でも血液ガス分析装置を導入しました。血液ガスを分析することで、体の酸塩基平衡の状態や、呼吸・代謝の状態を詳細に検査することができます。代謝性疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、麻酔モニターなどで使用することできめ細かい治療ができるようになりました。

ウサギの骨折

ウサギの骨は、犬や猫のものよりも薄く、非常にもろいことが知られています。
実際、骨折で来院するウサギさんは、しばしば遭遇します。
ウサギの骨はそもそも非常に細く、プレートが入らないことが多いのと、プレートを入れても骨が割れてしまって破綻することも多いです。
そのため、従来から骨髄にピンを入れるピンニングとギプスによる外固定を併用する方法が一般的でした。

最近では、ヒトの骨粗鬆症にも使用できるロッキングプレートというプレートがあります。

Exif_JPEG_PICTURE

ロッキングプレートはスクリューの頭部分にネジ山が切ってあり、プレートとスクリューが一体化します。それにより、角度安定性によって骨を固定します。
この固定方法は、ウサギなどの骨皮質が薄い動物にも理論的に有効と考えられます。
実際に、症例報告もちらほら出てきました。

このウサギさんは、既にピンニングの手術を他院で行ったのですが、ピンが破綻して癒合不全になっています。
このような状態だと、従来では断脚も考えていました。

今回、Synthes社の1.5mmロッキングプレートを使用して治療を行いました。

ワイヤーも併用しています。ウサギのプレートはワイヤーと組み合わせた方が破綻が少ないそうです。

まだ、術後数週間ですが、いまのところ経過は良好です。
しかし、骨折の手術は結果がでるのがまだ先なので、慎重に経過を追いたいと思います。

ロッキングプレートは、エキゾチックアニマルの細くもろい骨折の治療に新たな選択肢を与えてくれると思います。

松原

日本獣医がん学会参加

久しぶりのブログ更新です。

 

6月25日、26日は、日本獣医がん学会に参加してきました。

今回のがん学会では、頭頚部扁平上皮癌について最新知見を勉強してきました。

頭頚部扁平上皮癌といっても、発生部位によりかなり治療法・予後が異なるため、発生部位ごとに治療方針を組み立てる必要があります。外科で治癒が望めるものに関しては積極的な外科治療が必要との事でした。

 

また、がん症例の疼痛管理についても、講義がありました。当院でも、痛みの管理は積極的に行っていますが、局所麻酔による神経ブロックなどの手技について興味深かったです。

 

学会会場で「鳥類の内科学と外科学」という書籍が半額だったので購入しました。辞典のような本なので重くて後悔しましたが、少しずつ読んでいこうと思います。

 

6月26日の夜は、いつもお世話になっているTRVAのセミナーで、「内科医が考える胆嚢疾患の管理」の講義を受けてきました。

胆嚢疾患は日常診療でよく診断し、内科治療・外科治療ともに行うことが多いのですが、今回は内科治療中心のお話でした。犬におけるエリスロマイシンのモチリン様作用による胆汁分泌が否定されている文献が紹介されていました。これは結構使っている先生も多そうな薬なので、常に新しい情報を仕入れることは大事だと思いました。

 

胆嚢粘液嚢腫に関しては、周術期死亡率が1~3割との報告がありますが、早期に診断される無症状の症例に関してはそこまで外科リスクが高くないとのお話でした。これは自分も同様に考えていたので再確認できました。

 

松原

はじめまして

4月から入りました獣医師の須藤です。
大学は日本獣医生命科学大学で、内科学教室に所属していました。
内科学教室では、主に心臓疾患についての勉強をしていました。
精一杯の診察をさせていただくので、これからよろしくお願いします。

宣伝

花粉がきつい季節になってきましたね…

暖かくなってきてそろそろ冬眠からも醒める時期でしょうか。

動物さんを連れてお花見に行くなんてお話もちらほら聞こえるようになってきました。
花粉さえなければ素敵な季節なのです……花粉さえなければ。

突然ですが、明日は2015年一発目のBLACK OUT!です

今回も、当院のブースでは病気相談と無料便検査をさせていただきます。

最近少し食欲ないなあ…とか、なんとなく痩せてきたかしら…などなんでもかまいませんのでお気軽にいらしてください!!

便検査希望の場合は乾かないようにビニール袋などに入れてお持ちください。

大事に持ちかえらせていただきます。

では、また明日みなさまにお会いできるのを楽しみにしております。

 

看護師 橋口

呼吸数

心臓疾患の治療中、自宅で1分間の呼吸数を数えてもらっています。

犬猫では、安静時の呼吸数が1分間に40回を超えると肺水腫になっている可能性が高いです。肺水腫は、緊急性があるため、なるべく早期に検出し、治療したいところです。

 

呼吸数は、抗がん剤で治療している子でも非常に重要です。

抗がん剤治療中は、呼吸数に加えて、心拍数、体温を自宅でチェックできると、全身性炎症反応症候群や発熱性好中球減少症、DICなどの重篤な合併症を早期に発見できます。

健康な状態のうちに、呼吸数、心拍数、体温をチェックする練習をしておくと、動物の健康管理に役立つと思います。

野鳥の保護

当院は傷ついた野鳥の保護を行っています。

東京は実は緑の多い街で、比較的珍しい野鳥も時々運ばれてきます。

konohaduku

↑このコノハズクはなんと大井埠頭の路上で保護されました。

あの海岸際のトラックとコンテナしかないようなところに

こういった種がしっかり暮らしているというのはちょっと感動的です。

知り合いの獣医に聞くと、なんと東京駅で保護されたコノハズクがいたという・・

奥が深いです、東京の野鳥。

ただ、基本的には人の手で捕まえられるまで弱っている野鳥は

治療の甲斐なく助けられない事が多いです。

この子は頭の左半分を強く打ち眼内出血と血液が気嚢に流入するほどの重症でしたが、

なんとか復活しました。

早く野生復帰できますように、と。